本文へスキップ
原文
Google Research Blog·· 2026年9月4日注目記事AIスコア66

Google Research、HHMI Janeliaなどとオスのキイロショウジョウバエ脳の完全コネクトームを公開

A connectomics milestone: Mapping the complete male fruit fly brain

AIによる概要

GoogleはHHMI Janeliaやケンブリッジの研究者と共同で、オスのキイロショウジョウバエの脳と中枢神経系の完全な配線図を公開した。166,000超のニューロンと1億2500万のシナプス結合を含み、ニューロン数では過去最大の脳地図である。論文はCellに掲載され、データはNeuroglancerで閲覧・ダウンロードできる。

解説

今回の地図はHHMI Janelia Research Campusが主導し、MRC Laboratory of Molecular Biology、University of Cambridgeなどと進めた約10年の共同研究の成果である。脳に加えて、脊髄に相当する腹部神経索も含むため、脳が身体をどう制御するかへ対象が広がる。地図はHHMI Janeliaの専門家チームが注釈付けと検証(プルーフリード)を行っており、オープンソースの可視化ツールNeuroglancerで利用できる。

作成には、脳を数百万枚の薄切片にして撮影し、AIで画像をつなぎ合わせる手法が使われた。電子顕微鏡の平面画像から3D形状を再構成する技術には、畳み込みニューラルネットワークを使うflood-filling networksが含まれる。2019年にメスの脳の自動再構成を公開し、2020年には25,000ニューロン、2100万結合の人手検証済みの半脳地図を公開した。最近は合成ニューロンを学習データに加えて再構成システムPATHFINDERの速度と精度を高めたという。人手による誤り訂正を減らせば、より大規模な脳地図作りが現実的な予算と期間で可能になると説明している。

オスとメスの両方の地図が揃うことで、ニューロンが異なる部位を比較し、求愛や攻撃行動の生物学的メカニズムを調べられる。両性で似た部位では、個体間のばらつきの把握にも使える。視覚系、味覚、社会行動を扱う3本の関連論文も同時に公開された。

今後の展開として、脊椎動物への拡張が挙げられている。Columbia University主導でNatureに掲載された研究では、ゾウギンザメ類の後脳の一部の地図化に協力し、コネクトームを他の情報と組み合わせて学習と可塑性を調べた。ゼブラフィッシュ幼生についてはHarvardとの論文が近く公開予定で、神経構造と分子タイプを全脳で含む脊椎動物初のデータセットだとしている。神経活動と構造を同一個体で組み合わせた予備版データセットも公開した。

注目の理由

AIによる再構成と人手の検証を組み合わせた脳地図作りの歩みが、ハエから魚類へと広がる流れの中で整理されている。

出典: Google Research Blog · research.google