AIで形式検証は普及するか、スタートアップが参入し期待と懸念が交錯
The ‘Pain in the Ass’ Math That Could Save Vibe Coding From Itself
形式検証にAIを使い、ソフトウェアのバグがないことを数学的に証明する試みが広がっている。Stanfordの研究者Chuyue Sunらのツールは、専門家3人が5カ月かけた作業を半日未満、500ドル未満で終えた。一方で、普及するかは未解決で、コストや導入方法を巡る懸念も残る。
形式検証は、ソフトウェアの目標を厳密に記述し、コードを検証可能な数式に変換して正しさを確かめる手法である。従来は時間がかかり、NASAやApple、Boeing、Amazonなど限られた重要システムでの利用にとどまってきた。Chuyue Sunらは、Signalの暗号化コードの一部をAIで検証し、専門家3人が5カ月かけた作業を半日未満、500ドル未満で終えたと論文で報告した。
この結果を受けて、スタートアップが相次いで参入している。&Truthは7000万ドルを調達し、将来はあらゆるプログラミング言語の検証を目指す。Harmonicは2億9500万ドルを調達しており、AIエージェントAristotleがCのソフトウェアとVerilogのハードウェア設計の検証に対応したと発表した。Anthropicと検証スタートアップのTheoremは、AIを使って既存テストで見つからなかったバグを発見し、Claude向けのアドオンも公開した。Truidicも新たに加わった。
懐疑的な声もある。Antithesisのウィルソン氏は形式検証を「罠」と呼び、検証には大きな手間がかかる上、網羅的なテストこそが保証を裏づけると述べる。Vitalik Buterinも万能ではないと指摘している。中堅企業は、検証担当者の不足やコスト、検証待ちによる開発の遅れを理由に、重要機能の一部しか検証していないという。
今後の焦点は、資金と提供形態である。オープンソース保守者は継続的な資金源が見えないと話し、スタートアップは顧客に直接提供するか、Anthropicのような仲介を使うかを決めかねている。Proofcraftには問い合わせが殺到しているが、AIが生成する仕様が「不当な信頼」を生む恐れも指摘している。
出典: WIRED AI · wired.com