Anthropic、IPOで投資家の圧力をかわす統治構造を提案、専門家は限界も指摘
Anthropic’s elaborate plan to keep Wall Street at bay
Anthropicは上場に向け、公益法人形態と長期利益トラスト、Founder LLCによる統治構造を提案している。株主が取締役会や経営判断に介入しにくい設計だが、専門家は資本需要や創業者の離脱で保護が弱まる可能性を指摘する。
Anthropicは上場で公開市場の資金を得つつ、AIを安全に、人類の利益のために開発するという使命を守ると主張している。モデルの能力が上がるほどリスクも増し、株主がコストのかかる安全対策に消極的になる可能性がある。記事によれば、OpenAIのSam Altmanは投資家の圧力を、同社が今年IPOを進めない理由の一つに挙げている。
提案された構造の土台は公益法人(public benefit corporation)で、株主利益の最大化だけでなく社会的使命や従業員などの利害関係者とのバランスも法的に求められる。取締役7人のうち4人は、長期利益トラストが選ぶ。トラストはAI安全、国家安全保障、公共政策、社会的企業の専門性を持つ、財務的利害のない5人の議決権付き受託者で構成され、Class T株を通じて取締役を任免できる。
残る3議席は通常株主が投票できるが、Founder LLCが株主事項の議決権の50.1%を握る。目論見書では当初のメンバーはDario Amodei、Daniela Amodei、Tom Brown、Jack Clark、Jared Kaplan、Sam McCandlish、Christopher Olahの7人である。Columbia Law SchoolのDorothy Lund教授は、創業者が実質的に残り3人の取締役も選ぶことになると述べる。Ben Mannは含まれていない。
専門家の評価は割れる。Jens Dammann教授は、上場だけでは安全を優先する力は損なわれないとみる。Ann Lipton教授は、法的には通常株主に取締役選任や経営判断の力がないと述べつつ、創業者自身にも財務的利害がある点や、資金調達のために競合より速く収益機会を取る必要がある点を挙げる。Lundも、競争圧力と資本需要が時間とともに安全へのコミットメントを損ない得ると指摘する。
弱点として、創業者の離脱がある。Founder LLCはメンバーの過半数が去るか解散を決めると失効する。その場合、通常株主がトラストの保護を弱める力を得る可能性があるとDammannは説明する。公開株主、従業員株主、創業者の協調行動など他の回避手段もある。Anthropicは、株主圧力に抵抗できるかというThe Vergeの問いにコメントしていない。
出典: The Verge AI · theverge.com