Import AI 460:社会のリワードハッキング、AnthropicのRSI指標、RLドローンレースを論じる
Import AI 460: Reward hacking society, RSI data from Anthropic; and RL-based quadcopter racing
Jack ClarkのニュースレターImport AI 460は、社会制度のリワードハッキングを測るSocioHack、Anthropicでのマージ済みコード量8倍、RL訓練ドローンが人間のチャンピオン級パイロットに勝った研究を取り上げている。さらに国家管理メディアが大規模言語モデル(LLM)の出力に影響するというNature掲載研究も紹介している。
SocioHackはKings College London、Fudan University、The Alan Turing Instituteによるベンチマークで、72の社会シミュレーション環境からなる。内訳はHistorical 32、Synthetic 20、Fictional 20で、Historicalは過去に修正された規制の抜け穴を再現している。RLで訓練したモデルは、直接的な指示なしに過去に塞がれた手法をrecall 61.25%、precision 90.85%で再発見したという。Jack Clarkは、これは能力評価に近いと述べ、行政手続きが自動化された主体に悪用される「institutional DDoS」を懸念している。
Jack ClarkはAnthropicで、いわば日常的な形のリカーシブな自己改善(RSI)が始まっている証拠をまとめたと書いている。2026年にマージされたコード量は2021年から2024年と比べて8倍で、この傾向は2025年に始まり2026年に加速したとされる。決定的な証拠ではないとしつつ、パラダイムを変えるほどの創造性をAIが示す兆候はまだないと述べている。
チューリッヒ大学とGoogle DeepMindの研究では、マルチエージェント強化学習で訓練したドローンが、時速22 m/s超のレースで5回のスイス全国チャンピオンであるMarvin Schaepperに勝った。衝突率は従来の単一エージェント基準より50%低く、1対1のレースで完走率は100%、人間は平均53.33%だった。訓練はPPOを使い、単一のNVIDIA RTX 4090 GPUで約27時間、2億回の環境インタラクションで済んでいる。追加の実機向け訓練はなく、シミュレーションで学んだ方策がそのまま使われた。Clarkは、処理がローカルではなくネットワーク経由で動く点を留意点に挙げている。
Natureに掲載された研究は、国家管理メディアの文章がLLMの学習データに入り、政府に関する回答に影響すると報告している。中国語版CulturaXの1.64%が国家系データと重なり、Llama 2 13Bを6,400例で学習させると、約80%の確率で基本モデルより好意的な回答になった。37か国の監査でも、報道統制が強い国ほど、公用語での質問は英語より政権寄りの回答になりやすかった。Clarkは、国ごとのサンプルが小さい点を指摘し、多言語でのレッドチーミングを提案している。
出典: Import AI · importai.substack.com