Google DeepMind、AlphaEvolveの1年間の成果を公開 科学・インフラ・企業へ適用拡大
AlphaEvolve: How our Gemini-powered coding agent is scaling impact across fields
Google DeepMindは、Geminiを搭載したコーディングエージェントAlphaEvolveの導入から1年の成果をまとめた。ゲノム解析、電力網最適化、量子回路、TPU設計、Google Cloud経由の企業利用など幅広い分野で成果が出ている。DeepConsensusではバリアント検出エラーを30%削減し、AC Optimal Power Flowでは実行可能解の発見率が14%から88%超に向上した。
社会・持続可能性分野では、DNAシーケンスの誤り訂正モデルDeepConsensusの改善でバリアント検出エラーが30%減り、PacBioのデータ解析の精度向上とコスト低減につながっている。電力網のAC Optimal Power Flow問題では、GNNモデルが実行可能解を見つける割合が14%から88%超になった。Earth AIモデルの最適化では、20カテゴリの自然災害リスク予測の全体精度が5%向上した。
研究分野では、Willow量子プロセッサ上の分子シミュレーション向けに、従来の最適化手法より誤差が10x低い量子回路を提案した。Terence Taoら数学者との協働でErdős問題の解決にも貢献し、巡回セールスマン問題やラムゼー数の下界の更新も報告されている。Taoは、不等式の反例を素早く試せる点が証明の発見を助けると述べている。
AIインフラでは、パイロット段階を終え中核的なツールになったとされる。次世代TPUの設計最適化に定常的に使われ、キャッシュ置換ポリシーの発見では、従来数か月の人手作業を要した成果を2日で得た。Google SpannerのLSM-tree compactionヒューリスティクスの改善ではwrite amplificationを20%減らし、コンパイラ最適化の知見によりソフトウェアのストレージ使用量を約9%削減した。
商用面ではGoogle Cloudと連携して企業向けに提供している。Klarnaは大規模Transformerの学習速度を2倍にしつつ品質も改善した。FM Logisticは配送ルートを10.4%改善し、年間15,000km超の走行距離を削減した。WPPは手動最適化に対し10%の精度向上、SchrödingerはMLFFの学習と推論で約4x高速化を得た。Substrateは計算リソグラフィの実行速度を数倍に高めた。今後はより広い外部課題への展開を目指すとしている。
出典: Google DeepMind Blog · deepmind.google