ソフトバンクのデータ基盤「GaranAI」、コンテンツの権利保護と対価還元を両立
ソフトバンクが開発を進めるデータエコシステム基盤「GaranAI」は、著作権コンテンツの権利を守りながらAI事業者に提供し、利用の対価をコンテンツホルダーに還元する仕組みである。許諾を得たデータを契約で定めた範囲で提供し、RAG利用とモデル学習利用のいずれかを、コンテンツホルダーが指定できるとされる。2026年7月からベータ版の提供が始まり、2025年5月には一般社団法人共同通信社と業務提携している。
ソフトバンクが開発を進めるデータエコシステム基盤「GaranAI」は、著作権コンテンツの権利を守りながらAI事業者に提供し、利用の対価をコンテンツホルダーに還元する仕組みである。許諾を得たデータを契約で定めた範囲で提供し、RAG利用とモデル学習利用のいずれかを、コンテンツホルダーが指定できるとされる。2026年7月からベータ版の提供が始まり、2025年5月には一般社団法人共同通信社と業務提携している。
Googleは、AIエージェントがLLMの事後学習を自律的に反復実行する「autofinetune」を開発した。Tunix、Gemma、Cloud TPUをAntigravity CLIとGemini Flash 3.7で統合した構成である。SFTのFunctionGemma実験ではTPU v5e-1上で約2時間に20回の自動実験を行い、関数呼び出し生成の精度を高めた。GRPOでGemma 3 1Bを学習させた実験では、40回の実験を2〜3日かけて行い、総報酬が約10%向上した。
GoogleのチームはAi2のOlmo 3 7Bを、MaxText上のGoogle Cloud TPUでstage-1の事前学習とstage-2のmid-training annealまで再現した。ホールドアウトC4損失と8タスク精度でAi2の参照実行とほぼ同等で、run-to-run noiseの範囲内と報告している。Ironwoodでは44.5% MFU、v5pでは57.4% MFUを記録した。
NVIDIAとIIT MadrasのAI4Bharatは、インド憲法の22言語にわたる約2.8兆トークンのNemotron-pretraining-Indic-v1を、生成に使ったGPU高速化パイプラインとともに近日公開すると発表した。プロンプト、LLMワークフロー、品質チェックまで含む生成レシピを開放する。Nemotron 3.5 Super VLのIndic継続事前学習では、報告された5つのIndicベンチマークすべてでスコアが上がった。
Google DeepMindは、エージェント型開発プラットフォームGoogle Antigravityを使った抗菌ペプチド探索の技術解説を公開した。研究者はUniProt上の未解析タンパク質をProtNLMで走査し、3D表示ツールBiomolecular Structure Viewerと組み合わせて候補を絞り込める。見つかった候補は現在ウェットラボでの検証段階にある。
Mistral AIが時系列基盤モデルのファミリー「Timestral」を公開した。最大の209Mパラメータモデルは、GIFT-Eval、TIME、fev-benchの3つの主要ベンチマークで1位となり、従来の最先端モデルよりも少ない3分の2のパラメータで上回った。5Mから209Mまでの4サイズがあり、推論にGPUは不要で、標準的なサーバーCPU(8スレッド)では1日先の予測に5Mモデルが10ms、209Mモデルが140msを要するとされる。
NVIDIAは、欧州委員会がダブリンで始めたAI in Science Enablers Initiativeに参加し、欧州の研究者向けにオープンモデル、学習資料、計算資源へのアクセスを拡大する。250以上のオープンモデルと250のオープンデータセットを公開しており、NVIDIA Deep Learning Instituteは無償のオープンソース教材ハブを開設した。欧州では35台のスーパーコンピューターが開発中で、300万人超の研究者が利用できるようになる。
LINEヤフーは、Yahoo!ショッピングやYahoo!検索などの固有テキストで事前学習したBERT系モデルを社内共有するプロジェクト「Moegi」を紹介した。bert-110mのMoegiモデルは公開日本語モデル2種を全3タスクで上回り、gpt-5.6-solと近いスコアを示した。推論コストはgpt-5.6-solの約900分の1〜約1,700分の1と概算されている。
サイバーエージェントのインターン生が、AI POSチームでPOS分析エージェントに熟練アナリストの知識を持たせる検証を行った。評価、抽出、保存・検索、活用・育成の4つの問いを検証し、貯めた知識の活用でPOS分析の出力品質と出力効率を引き上げた。成果の詳細は最終発表スライドにまとめられている。
研究チームは、事前学習済み音声エンコーダの言語選択的な隠れ状態次元を使い、音声から直接コードスイッチング(発話内で言語が切り替わる現象)を検出する軽量な手法を提案した。CS-FLEURSの14言語ペアで、Whisper-smallエンコーダは平均F1 0.798を達成し、CNNの0.776、単一言語識別用に学習したHuBERT線形ベースラインの0.751を上回った。結果は、事前学習済み音声エンコーダがCS発話の識別に必要な情報をすでに符号化していることを示唆している。
Appleの研究者らが、テキスト、画像とテキストの組、音声とテキストの組で事前学習した初の三モーダルMasked Diffusion Models(MDM)を提示し、その設計空間を体系的に分析した。予備モデルは3B規模・6.4Tトークンで、テキスト生成、T2I、T2Sの各タスクで強い結果を得たとしている。また、物理的なバッチサイズと論理的なバッチサイズを分離するSDEベースの再パラメータ化により、最適バッチサイズの調整を不要にしたと報告している。
さくらインターネット、PFN、NICTの三者は、生成AIを継続的に評価・改善する「能動的評価基盤」の社会実装に向けた取り組みを開始した。さくらインターネットは来年度中の運用開始を目指し、「さくらの AI Engine」上の国内外のLLM群への適用検討に着手する。PFNはPLaMo 3.0 Primeの後継モデルの開発につなげ、NICTは評価基盤の高度化を本格的に進める。
GitHubはsecret scanning向けに、正規表現で候補を抽出し、ファインチューニングしたModernBERT分類器で文脈から本物かを判定する2段階パイプラインを導入した。従来のLLMベースのパイプラインと比べ、post-pushスキャンの実行時間の中央値は86%短縮、提供コストは98%以上削減、オーナー加重のアラート精度に基づく受け入れ率は11.5%向上した。高速化により、汎用シークレット検出をpush protectionにも拡張できた。
Hugging Faceの著者がHuggingChatのML Internを使い、数日で6つのモデルを作成して公開した。0.8Bのプロンプトリライターは計算費用16ドルで、有効出力率は99.7%、教師モデルの約4分の1のトークンで動作する。6件の計算費用は合計で約103ドルである。
Appleの研究チームが、拡散モデルの各逆ステップを厳密な尤度で学習できる条件付きNormalizing Flowとして表現するNormalizing Trajectory Models(NTM)を提案した。自己蒸留により、4ステップで高品質なサンプルを生成できる。テキストから画像へのベンチマークでは、強力な画像生成ベースラインと同等以上の性能を、4ステップの生成だけで示したとされる。
Google Researchは、Google Earth AIの人口動態基盤モデル(PDFM)が生成する場所の埋め込み表現を、5つの公衆衛生課題で評価した。PDFMは検索傾向、人の移動、建物の密度、気象・大気質などを統合した埋め込みであり、タスク固有のファインチューニングなしに既存の入力と同等以上の結果を示した。米国・カナダ国境の146郡ではMMRワクチン接種の説明分散が相対で36%向上し、コレラ発生予測では4週先のAUPRCが9.7%改善した。
LayerXのバクラク事業部は、設計仕様書・ヘルプ記事・コードの3つを突き合わせた仕様のLLM Wikiを、陳腐化させずに組織運用する更新の仕組みを構築した。利用者が訊きそうな質問で差分を選ぶ定期更新、出典のhashによる劣化検知とlintによる強制、書き戻しを一時置き場に限定する運用の3つが柱である。1プロダクトあたり100ページ前後、全体では1,000ページを超える見込みである。
Turingのmlopsチームは、学習時にS3から動画データを直接読む構成へ移行し、学習データ量をクラスタのストレージ容量から切り離した。計測では20ノードで約483 GB/sの帯域が出た一方、S3のレイテンシ中央値は約140 msで、先のバッチをRange GETで先読みしてCPUメモリに貯め、この待ち時間を隠した。これによりステージングの待ち時間と容量の上限なしで、S3上のデータをそのまま学習に使えるようになった。
cogneeのCEO、Vasilije Markovicさんの講演を、LayerXのFDEが紹介している。cogneeはAIエージェント向けの記憶をオープンソースで提供し、スキーマは厳密なオントロジーでなくてよいこと、記憶を分けて権限で制御すること、使われるほど記憶が良くなることが語られた。LayerXの最新50記事でスキーマの効果も試している。
Googleは、Trusted Execution Environments(TEE)を活用した次世代の連合学習(FL)システムを発表した。データ匿名化の保証を、第三者が検証・監査できる形で提供する。Gboardはすでに新システムを採用しており、従来のFLシステムより計算時間が大幅に短縮されたという。各デバイスが事前に承認するアクセスポリシーはRekorという公開トランスペアレンシーログに掲載され、外部の監査者が追跡できる。
ServiceNow CoreAIは、エンタープライズ向けAIエージェントの学習データを生成する「AutoSynthData」を開発した。対象モデルの失敗と、より強力な教師モデルの成功例から次に学ぶべき能力を特定し、実行可能で現実的、かつまだ安定して解けないタスクを生成・検証する。EnterpriseOps Gymを使った例が示されており、公開されたデータセットも用いられている。
Google DeepMindは、タンパク質の生物学的機能を保ったまま署名を埋め込める透かし技術「SynthID Bio」を発表した。3つの標的タンパク質を用いたウェットラボ試験では、透かし入りのタンパク質結合分子が、透かしなしの版と同等のヒット率、結合親和性、配列多様性を示した。AlphaFold 3ではモデルの重みに透かしを組み込み、予測精度を保ったまま検出可能性を高めたとする。
ABEJAは、NVIDIA Nemotron 3 Nano(30B-A3B)のBaseモデルに対し、日本語の汎用能力強化を目的とするSFT Stage 1と、金融特化のSFT Stage 2の2段階でSFTを実施した。Stage 1ではBaseモデルと事後学習済みモデル、2種類のデータブレンドを組み合わせた計4条件を比較した。評価にはSwallow Leaderboard v2、Fin-Harness、EDINET-Benchを用いている。
Hugging Face HubにRL Environments用のフィルターが追加された。rl-environment タグを付けたデータセットリポジトリが一覧に表示され、Harbor、Verifiers、OpenEnv、NeMo Gym の4フレームワークのタグも登録されている。新しいリポジトリ種別やレジストリ、サインアップは不要である。
選定理由:既存のデータセットリポジトリにタグを付けるだけで複数フレームワークから共通利用できる設計が示されており、環境公開の手順を具体的に把握できる。
順天堂大学、HEMILLIONS、ソフトバンクは、2025年12月1日から2028年11月30日にかけ、医療データを統合するクラウド上の「データレイク基盤」を構築する共同研究講座「医療AI・デジタルイノベーション」に取り組んでいる。順天堂大学の6つの附属病院で異なる電子カルテのデータを標準化し、SB Intuitionsの国産生成AI「Sarashina」などを使ったLLMの検証を進める。匿名加工医療情報から活用を始め、同意情報に応じたアクセス制御も検討する。
LayerXバクラク事業部のデータグループ所属エンジニアが、2026年9月10~11日開催のSnowflake World Tour Tokyo 2026で2つのセッションに登壇した。1日目はdbtとSnowflakeによるモデル依存関係、行レベル、列レベル、公開経路の4層のデータ統制を紹介した。2日目はAI Agentが自律稼働するためのデータ基盤として、リアルタイムデータ収集とタイムトラベル、非構造化データを含むコンテクスト集約などを説明した。
Google Researchは、中距離物流(middle-mile logistics)の問題に向けて現実的なベンチマークを作成するC++製のインスタンス生成ツール「MilleMiglia」を発表した。物流企業がネットワーク構成や需要量を機密扱いしてきたため公開データが不足していたが、このツールはプライバシーに配慮したデータを生成できる。ソースコードとドキュメントはGitHubで公開されている。
国連システムが、各機関の統計を一つの検索可能なナレッジグラフに統合したオープンソースのプラットフォーム「UN System Data Commons」を立ち上げた。Google の Data Commons を基盤とし、Google.org が国連財団を通じて支援する。自然言語検索で指標や可視化を得られるほか、Model Context Protocol(MCP)に対応したAIエージェントが公式統計を取得してグラフや報告書を作成できる。2027年までに国連システムの統計データセットの80%を収録する目標が示されている。
Google Researchは、オフラインの強化学習で検索クエリのファンアウト(分解)を学習し、軽量な拡散リトリーバーに蒸留する「Retrieve-for-Train」を発表した。推論時は思考トークンを使わず、1回のパスで関連クエリ群を生成できる。拡散リトリーバーは53.9Mパラメータで、Gemma3-4BとQwen3-4Bを集合単位の報酬で学習している。
Googleの技術と製品は300以上の言語で日常的なやり取りを支えており、その言語を話す人は70億人以上、世界人口の86%に当たる。リアルタイム音声翻訳のGemini 3.5 Live Translateは70言語・2,000以上の言語ペアに対応する。軽量なオープン翻訳モデルTranslateGemmaは55言語で学習され、端末上で効率よく動作するため、クラウドやインターネット接続なしで高品質な翻訳が可能になるとしている。
Google Researchは、ツールの利用チェーンを先に生成してからユーザークエリを付与するanswer-first方式のデータ生成手法ToolGradを提案した。ToolGrad-500で微調整したGemma-3 12Bモデル(ToolGrad-12B)はBFCLで83.1点を記録し、gemini-2.5-pro(83.2)に迫り、claude-4.5 Opus(82.8)やgpt-5(74.4)を上回った。データ生成にはgemini-2.5-flash-liteを用い、ほぼ100%のパス率が示されている。
Cloudera と Mistral が提携し、Mistral のモデルを Cloudera のハイブリッドデータプラットフォームに統合する。企業はオンプレミス、プライベート・パブリッククラウド、完全なエアギャップ環境にAIモデルを展開しつつ、管理権限を保てる。管理された環境内で自社の独自データを使ってカスタムモデルを学習させることもでき、データと学習結果の所有権は企業側に残るとしている。
Google DeepMindは、ヒトゲノムで起こりうる約90億の一塩基変異の分子レベルの影響予測をまとめたAlphaGenome Atlasを公開した。AlphaGenomeとAlphaMissenseの予測を1つの数値にしたAVIスコアも同時に提供する。学術研究向けにはウェブポータルから無料で利用でき、AlphaGenome APIとGoogle Antigravityのスキルでも使える。
Mistral AIは30億ユーロのシリーズD資金調達を発表した。調達後評価額は210億ユーロを超え、欧州のテクノロジー企業による株式調達として過去最大となる。Samsung Electronicsが主導し、EQT傘下のScaleup Europe Fund、既存投資家のPSG Equityが共同主導した。資金はフロンティア研究とコンピュートの拡張、インフラと商業展開の加速に充てられる。
UK Biobankの欧州系データを用いて、Biobank Japanの日本人集団向けにPRSを学習させる手法を8つの臨床形質で比較した。対象集団のサンプル数が1万5000件以上では対象集団専用のモデルが上回り、5000件と極めて少ない場合は欧州系データの併用が有効だった。遺伝的相関の高い形質ほど欧州系データの利点が大きなサンプル数まで残り、脂質(HDL、LDL)や血糖値では利点が小さかった。
Hugging Faceのブログが、Surya Narreddiの水彩画生成の手法をTRLとOpenEnvで再現し、データセット、RL環境、学習スクリプト、学習済みモデルをすべて公開した。Qwen/Qwen3.5-35B-A3Bにp5.brush用のJavaScriptを書かせ、審査モデルと美的評価モデルの報酬で学習させている。3種類の報酬配分はいずれも報酬が上昇した。
選定理由:報酬設計から失敗した実験、コストまでが具体的な数字で整理されており、好みを報酬にするRLを自分で再現する際の判断材料になる。
大規模言語モデル研究開発センター(LLMC)は、llm-jp-4-8b-thinkingをマルチモーダル化した視覚言語モデル「LLM-jp-4-VL 9B」を公開した。FineVisionの問題データを削除・修正したデータセット「RefinedVision」も併せて公開し、学習データは約2,930万件である。beta版よりGPQAやCharXiv Reasoningなどで性能が向上した一方、Qwen3.5-9Bとは多くのタスクで差が残る。