AI情報通:GLM-5.2・DeepSeek V4-Proのサイバー能力を英米の機関が評価(7月21日15時の情報)
英国AI Security InstituteとNIST CAISIが、GLM-5.2とDeepSeek V4-Proの評価結果を公開した。英国AISIは両モデルのサイバー能力を、4~7か月前に公開されたクローズドモデルと同程度と報告した。CAISIはGLM-5.2の総合能力をGPT-5.2とほぼ同じとし、安全対策には強みと弱みが混在すると示した。
英国AI Security InstituteとNIST CAISIが、GLM-5.2とDeepSeek V4-Proの評価結果を公開した。英国AISIは両モデルのサイバー能力を、4~7か月前に公開されたクローズドモデルと同程度と報告した。CAISIはGLM-5.2の総合能力をGPT-5.2とほぼ同じとし、安全対策には強みと弱みが混在すると示した。
Hugging FaceはPollen Roboticsによる手持ちグリッパー型の操作データ記録システムGrabetteを公開した。ロボットなしで人の手による実演を記録でき、ブラウザ上の処理でLeRobot形式のデータセットに変換される。ハードウェアのCADや制作ファイル、ソフトウェア、処理パイプラインはすべてオープンソースである。
Nathan LambertはMoonshot AIのKimi K3(2.8Tパラメータ、MoE)を、オープンと閉鎖、米中の性能差を3〜5か月程度に縮めたフロンティアモデルと位置づけた。ウェイトは7月27日に公開予定という前提で、資本効率、エコシステム、規制の論点を整理している。
拡散モデルの「創造性」は、ニューラルネットワークの学習過程で生じる「スコア平滑化(score smoothing)」に由来すると、Google Researchが説明する。学習データの間をつなぐ補間領域に新しいデータが生成される仕組みで、重み減衰(weight decay)が強いほど学習されたスコア関数は中間領域で滑らかになることを1次元の実験で示した。研究成果は ICLR 2026 で発表された論文「On the Interpolation Effect of Score Smoothing in Diffusion Models」にまとめられている。
Thinking Machines Labが、画像・テキスト・音声を入力できる約1Tパラメータのオープンモデル Inkling を Hugging Face で公開した。総パラメータ975B、アクティブ41BのMoEで、1Mコンテキストに対応する。276B総・12Bアクティブの Inkling-Small も追加され、Inference Endpoints でワンクリックでデプロイできる。
選定理由:アーキテクチャの内訳、必要VRAM、各推論エンジンでの起動手順、ベンチマーク表が一つにまとまり、導入可否を判断する材料になる。
Nathan Lambertは、ホワイトハウスの議論を受けてオープンウェイトモデルへの規制が現実味を帯びていると論じた。GPT 5.5、Claude Opus 4.8、GLM-5.2の水準を大きく超えるモデルの禁止や無期限の遅延が最も可能性の高い措置だとみており、今後6か月以内に起こり得るとする。蒸留をめぐる議論はAnthropic主導の規制の囲い込みだと批判し、米国企業による同水準のオープンモデル公開と連合形成を対応策に挙げている。
Google Researchは、表形式データの分類と回帰をゼロショットで行う基盤モデルTabFMを発表した。文脈内学習により、モデル学習やハイパーパラメータ調整、特徴量エンジニアリングなしで1回の順伝播で予測できる。Hugging FaceとGitHubで公開され、Google Cloud BigQueryでも利用できる。
選定理由:表形式データの予測を文脈内学習として扱う設計と、合成データのみで事前学習した点が整理されており、従来の木系手法との違いを把握しやすい。
SB Intuitionsは、フルスクラッチで開発した国産LLM「Sarashina3 mini」とその軽量版「Sarashina3 nano」を公開し、商用APIとして提供を開始した。事前学習には日本語・英語を中心とした30Tトークンのデータを用い、数学(AIME 2025)やエージェント(τ2-bench Telecom)などで前世代のSarashina2 miniから大幅な性能向上を達成したという。
SB Intuitionsは、通信事業のカスタマーサポートを題材にしたエージェントベンチマーク「tau-bench telecom」の日本語版「J-tau telecom」を公開した。評価結果では、多くのモデルで英語版より日本語版のスコアが低く、評価言語によってエージェント能力の測定結果が変わることが示された。J-tau telecomの評価では、GLM-5.2が96.5%、gpt-5.6 Solが93.6%を記録し、ライセンスはModified MITで公開されている。
Google DeepMindは、テキスト拡散を採用した26B MoEのオープンモデルDiffusionGemmaをApache 2.0ライセンスで公開した。専用GPU上で最大4x高速な推論を実現し、単一のNVIDIA H100で1000+トークン/秒、NVIDIA GeForce RTX 5090で700+トークン/秒を出す。出力品質は標準のGemma 4より低く、高品質が必要な用途にはGemma 4を推奨している。
選定理由:自己回帰モデルとの速度差が生じる仕組みと、ローカル推論に向く条件、クラウド配信で利点が薄れる点が整理されており、用途の見極めに使いやすい。
Google DeepMindはノートPC向けのマルチモーダルモデルGemma 4 12Bを発表した。画像と音声の入力をエンコーダーなしでLLM本体に直接渡す構成で、16GBのVRAMまたはユニファイドメモリで動作する。Apache 2.0ライセンスで公開され、Hugging FaceとKaggleから重みを入手できる。
選定理由:画像と音声をエンコーダーなしでLLM本体に直接入力する構成と、16GBで動作するメモリ要件が示されており、ローカル運用の判断材料になる。
Googleは、AIによる洪水予測のための水文モデルフレームワークをGitHubでオープンソース化した。Google Flood Hubの河川予測と同じアーキテクチャと類似の学習データを使い、各国の気象・水文機関や予報担当者がモデルを学習できる。新モデルは、従来版と比べて観測地点のある流域で予測可能期間を6日、観測のない流域で1日延長したとされている。
Sony AIは、効果音生成に特化した基盤モデルWooshを発表した。ライセンス済みのスタジオ品質ライブラリで学習した非公開モデルと、公開データで学習した公開モデルの2種類を並行して開発した。公開モデルはオープンウェイトと推論コード付きで、非商用の研究・実験向けに提供される。
Tilde Researchは、Muonオプティマイザの更新則によりMLP層の一部ニューロンが永続的に死ぬ問題を指摘し、代替として「Aurora」を公開した。原文によれば、Muonでは学習率のウォームアップ中に多くのニューロンが死に、500ステップ時点で4分の1超が実質的に死んでいた。1.1Bパラメータのトランスフォーマーを約100Bトークンで学習した小規模実験では、Auroraの最終損失は2.26で、Muon(2.31)やNorMuon(2.33)より低かった。
Google Researchは、オープンソースのツールとオープンアクセスのデータセットを公開し、世界の科学コミュニティと連携して研究の再現と発展を支えている。ゲノム解析のDeepVariantなどのツールは、250,000人以上の研究者・開発者のエコシステムで利用されている。医療分野ではHAI-DEFのダウンロードが480万件を超え、OHSは10か国以上で導入され6,500万人以上の受益者に届いている。
学習率を減衰させず最大学習率を保つWarmup-Stable-Only(WSO)スケジューラで事前学習したLLMは、SFT後の下流タスク平均スコアでWSD、Cosine、Linearを上回った。Llama 3アーキテクチャの1Bおよび8Bモデルの両方で一貫して最高性能を示し、中間学習を挟む3段階の設定でも同様の傾向が確認された。減衰型スケジューラのモデルは事前学習中のSharpnessがWSOの2〜3倍で、論文はこの平坦さがSFTへの適応性を支えると考察している。
カラクリが、PC操作を自律実行する国産CUA向け視覚言語モデル「KARAKURI VL2」(8Bパラメータ)を開発し、GENIAC第3期の成果として公開した。自社開発の日本語PC操作ベンチマーク「OSWorld-JP v0.2」(100タスク)の総合スコアは0.331で、Claude Sonnet 4.6の0.593には及ばないが、画像編集(GIMP)とメール操作(Thunderbird)の2カテゴリではClaude Sonnet 4.6を上回った。
Google Researchは、論文用の図を生成するエージェント「PaperVizAgent」と、論文を自動で査読するエージェント「ScholarPeer」を発表した。PaperVizAgentは0~100の評価スコアで総合60.2を記録し、GPT-Image-1.5、Nano-Banana-Pro、Paper2Anyを上回った。人間の基準値50.0を超えたのは同フレームワークだけだという。ScholarPeerは、Web検索で文献を参照しながら批評的なレビューを生成し、既存の自動査読手法との比較で高い勝率を示した。
ELYZA Labが、Agentic LLMの強化学習(Agentic RL)に使った訓練基盤の実装と訓練ノウハウを解説した。verlをコアに、AgenticEnv、RolloutManager、Tool、Tool API Serverの4コンポーネントを追加し、verl本体の更新に追従しやすい最小限の変更に留めている。ステップ1-2をマルチステップ化の差し替え対象とし、ステップ3以降はそのまま流用する設計である。
ABEJAは、Alibaba社のQwen3-14Bに追加学習を行ったモデル「ABEJA-Qwen3-14B-Agentic-256k-v0.1」を公開した。コンテキスト長は元モデルの128kから256kに拡張され、思考とツール利用を繰り返すAgentic能力の強化を狙っている。ローカル社内ドキュメントの探索を想定して検索系ツールの強化にOpenSearchを採用しており、汎用モデルというよりエージェント利用向けのモデルである。
チューリングが開発した自動運転VLAモデル「DriveHeron」を実車に統合し、10Hz(100ms周期)の制御ループに収めた。VLMの「Heron」を土台に将来の走行軌跡を出力する設計で、出力は回帰型のtrajectory headにより単発推論で得る。TensorRTとFP16の低精度推論により、2B(約20億パラメータ)のVLMでも前後処理を含めて100ms以内を達成した。
Mistralは4Bパラメータのテキスト音声合成モデルVoxtral TTSを公開した。9言語に対応し、APIでは1k文字あたり$0.016で利用できる。人手評価ではElevenLabs Flash v2.5より自然さで上回り、ElevenLabs v3と同等の品質とされる。
Mistral AIはMistral Small 4を発表した。Magistralの推論、Pixtralのマルチモーダル、Devstralのエージェント型コーディングを1つのモデルに統合し、Apache 2.0ライセンスで公開している。119B総パラメータのMoEで256kコンテキストウィンドウに対応し、Mistral Small 3と比べてレイテンシ重視設定でエンドツーエンドの完了時間を40%削減、スループット重視設定で毎秒リクエスト数を3倍にした。
選定理由:推論、マルチモーダル、エージェント型コーディングを1モデルに統合した構成と、出力長を抑えた比較が示されており、モデル選定の軸を整理しやすい。
Mistral AIはLean 4向けのオープンソースのコードエージェントLeanstral(120B-A6B、アクティブパラメータ6B)をApache 2.0ライセンスで公開した。Mistral Vibeのエージェントモードと無料のAPIエンドポイントでも利用できる。FLTEvalではpass@2で26.3となり、コスト36ドルでSonnetの23.7(549ドル)を上回ったとしている。
Mistral AIは、Rails のソースファイルを読み取り、RSpec テストを生成・改善して、スタイルルールとカバレッジ目標で検証するエージェントを構築したと発表した。CI/CD パイプライン内で人手を介さず動作し、複数のインスタンスが異なるファイルを並列に処理する。
RAGのRerankerについて、Cross Encoder型と汎用LLM型を検索精度・応答時間・運用コストの観点から比較した。JQaRAではCross Encoder型のcl-nagoya/ruri-v3-reranker-310mがnDCG@10 0.869で最高値を記録し、Multi-hop FAQでは汎用LLMが相対的に高いスコアを示した。さらに汎用LLM型のコスト削減手法により、精度を維持したまま最大40%のコスト削減を達成したとしている。
チューリングは、NVIDIA の映像-テキスト埋め込みモデル Cosmos-Embed1 と Databricks Vector Search を組み合わせ、約54万シーン(約2,000時間分の走行データ)を対象にしたセマンティック検索システムを構築した。映像側の embedding は日次バッチで事前計算し、テキスト側のみ AWS Lambda でリアルタイムに計算する構成とした。
「AIセーフティ評価環境 検討タスクフォース総会」が2026年2月26日13:30~17:10に開催される。AISIがオープンソースとして公開している評価ツール「AIセーフティ評価環境」の概要と、検討タスクフォースの活動内容を紹介するイベントである。ハイブリッド形式で参加は無料、参加資格は特になく、申込期間は2月24日17:00までである。
Mistral AIは音声認識モデルのファミリーVoxtral Transcribe 2を公開した。バッチ向けのVoxtral Mini Transcribe V2と、遅延を200ms未満まで設定できるライブ向けのVoxtral Realtimeで構成する。Realtimeは4BパラメータでApache 2.0のオープンウェイトとしてHugging Face Hubで配布され、Mini Transcribe V2のAPI料金は1分あたり$0.003である。
選定理由:バッチ向けとリアルタイム向けの二つのモデルについて、遅延設定、料金、対応言語が並べて示されており、用途ごとの使い分けを判断しやすい。
Hugging FaceでDifferential Transformer V2が発表された。V2はV1の推論速度低下(約6〜12%減)と学習の不安定性を解消する改良とされ、Query側のヘッド数を2倍にしてKey/Valueは増やさず、FlashAttentionを1回呼び出した出力を偶数・奇数ヘッドで分けて差分を取る構成になっている。
Mistral AIのエンジニアチームが、vLLMで発生したメモリリークの原因を追跡した過程を解説する。Mistral Medium 3.1を使い、グラフコンパイルを有効にした条件下で、システムメモリが毎分400MBずつ線形に増加していた。Prefill/Decode分離構成のdecode側でのみ再現し、Heaptrackではヒープメモリは安定していたが、ヒープ外のピークRSSに差が出ていた。
ELYZAは、KDDIのGPU基盤を用いて日本語の知識・指示追従能力を強化した拡散大規模言語モデル(dLLM)「ELYZA-LLM-Diffusion」シリーズを開発し、商用利用可能な形式で公開した。HKU NLP GroupのDream-v0-Instruct-7Bをベースに追加事前学習と指示学習を行い、ELYZA-Diffusion-Base-1.0-Dream-7BとELYZA-Diffusion-Instruct-1.0-Dream-7Bを公開している。
ELYZAは、日本語性能に特化した拡散言語モデル「ELYZA-Diffusion-Base-1.0-Dream-7B」と「ELYZA-Diffusion-Instruct-1.0-Dream-7B」の2種を公開した。両モデルは約70億パラメータで、Apache License 2.0のもとで提供される。初期モデルはDream-v0-Instruct-7Bで、約620億トークンの日本語コーパスによる継続学習と、約1.8億トークンによるInstruction Tuningを行っている。主に研究用途や検証用途での利用を想定している。
ABEJAの藤本氏が、Dynamixelモーターと3Dプリンタ部品で2足歩行ロボットを自作し、IsaacLabでのシミュレーションまでの流れを紹介する。関節は3つに限定し、姿勢認識はIMUのみで行う構成である。制御には強化学習(PPO)を採用し、URDFからUSDへの変換、rsl_rlを用いたプロジェクト作成、環境と報酬の設定を解説している。
ABEJA の筆者が NVIDIA の医療系 AI プラットフォーム「NVIDIA Clara」を試し、MONAI Toolkit で内臓セグメンテーション用モデル VISTA-3D をファインチューニングして CT 画像で推論した。学習には腹部 CT 画像 150 枚と 5 epoch を用い、GCP の T4 1 台で動作させた。創薬分野では BioNeMo Framework でタンパク質言語モデル ESM-2 の学習と推論も試している。
ABEJAのデータサイエンティストが、OpenAIのgpt-oss-120bに論理クイズや数学の問題、詰将棋を解かせ、思考過程のログを検証した。設定はtemperature 1.0、reasoning effort highである。嘘つき特定問題では、各証言の真偽を場合分けして検討し、Bobが犯人となる組み合わせに至る過程が確認できる。
Mistral AIは、コーディングモデルのDevstral 2(123B)とDevstral Small 2(24B)、およびターミナル向けCLIのMistral Vibeを公開した。Devstral 2はSWE-bench Verifiedで72.2%、Devstral Small 2は68.0%を記録している。Devstral 2はAPIで当面無料で、無料期間後は入力/出力で100万トークンあたり$0.40/$2.00となる。
選定理由:SWE-bench Verifiedのスコアに加え、人手評価でClaude Sonnet 4.5との差が残ると明記しており、オープンモデルの現在地を比較しやすい。
Mistral AIは次世代モデルMistral 3を発表した。14B・8B・3Bの小型denseモデルと、アクティブ41B・総計675BパラメータのMoEであるMistral Large 3で構成し、全モデルを Apache 2.0 ライセンスで公開する。Mistral Large 3はLMArenaでOSS非推論モデル部門2位、Ministral 3 14Bの推論版はAIME '25で85%を記録した。
選定理由:3B・8B・14Bの小型モデルと675B規模のMoEを同じ Apache 2.0 で公開しており、用途別の選択肢と配布先を比較しやすい。
SB Intuitionsは、VLM「Sarashina2.2-Vision-3B」をMITライセンスのもとで公開した。Sarashina2.2-3B-Instructをベースに開発され、HuggingFace Hubから利用できる。同サイズ帯では日本語ベンチマークでトップクラスのスコアを達成したという。
ELYZAが、LLM Agentを実サービスに搭載する際の開発上の課題と工夫を紹介している。プロトタイプはGoogle ADKで作成し、データ分析タスクに特化したエージェントを検討した。入力のトークン消費が大きく、1M tokensあたりClaude-4-Sonnetで$6、Gemini-2.5-proで$2.5とコストが高いこと、また不特定多数のユーザによる並列実行を想定したサンドボックスの整備が必要なことが課題として挙げられている。