AISI、2025年度の事業実証WG報告会を開催
AIセーフティ・インスティテュート(AISI)は、2026年3月10日に事業実証ワーキンググループ(WG)の報告会を開催し、各サブワーキンググループ(SWG)の2025年度の取り組みを共有した。報告会にはSWGに参画する企業・研究機関・団体のほか、関係府省庁等からオンライン参加を含め多数の関係者が出席した。各分野におけるAIセーフティ評価の実証結果を含む活動の進捗と、今後の事業実証の展開に向けた情報共有が行われた。
AIセーフティ・インスティテュート(AISI)は、2026年3月10日に事業実証ワーキンググループ(WG)の報告会を開催し、各サブワーキンググループ(SWG)の2025年度の取り組みを共有した。報告会にはSWGに参画する企業・研究機関・団体のほか、関係府省庁等からオンライン参加を含め多数の関係者が出席した。各分野におけるAIセーフティ評価の実証結果を含む活動の進捗と、今後の事業実証の展開に向けた情報共有が行われた。
ABEJAは、Qwen3に思考とツール実行を繰り返させてAgentic能力を強化する、SFTと強化学習の取り組みと知見をまとめた。SFTでは、gpt-oss-120bがOpenSearchによるWikipedia検索ツールを使って推論した出力を、正答データへの絞り込みや推論部分の日本語化などで改善して教師データを作成した。強化学習では、Wikipediaを使うマルチホップQAとDeepResearch、e-Gov法令データを使うQAの3タスクをGRPOで学習し、最後にModel Soupで統合した。
AISIと民間企業が共同で検討する「AIセーフティ評価環境 検討タスクフォース」は、2026年2月26日に総会を開催し、総勢100名が出席した。2025年度の活動と、OSSとして公開しているAIセーフティの評価ツール「AIセーフティ評価環境」の概要が共有された。後半のパネルディスカッションでは、AIエージェントが複数のテーマで共通して話題になった。
ABEJAは、GENIAC3期の基盤モデル開発で使用したロングコンテキスト処理性能の評価タスク・ベンチマークと、評価を実行できるリポジトリを公開した。評価にはRULER(NIAH、QA)、LongBench v2、MRCR(OpenAI-MRCRの日本語版を含む)を用いた。新たに作成した評価データセットも併せて公開している。
ABEJA のインターンが、メカナムホイール搭載の 4 輪ロボット Mentor Pi(Mecanum)を ROS 2 で動かし、macOS 上で Gazebo によるシミュレーション環境を構築した。MuJoCo は ROS 2 との統合が弱く、Webots は macOS で UTM などを経由する必要があるとして見送り、Gazebo を pixi で構築して採用した。実機では 2D LiDAR による SLAM マッピングを行ったが、マップが拡大し続ける問題が残り、モーター暴走の回避策の影響で 3 輪駆動になった可能性があると記されている。
RAGのRerankerについて、Cross Encoder型と汎用LLM型を検索精度・応答時間・運用コストの観点から比較した。JQaRAではCross Encoder型のcl-nagoya/ruri-v3-reranker-310mがnDCG@10 0.869で最高値を記録し、Multi-hop FAQでは汎用LLMが相対的に高いスコアを示した。さらに汎用LLM型のコスト削減手法により、精度を維持したまま最大40%のコスト削減を達成したとしている。
チューリングは、NVIDIA の映像-テキスト埋め込みモデル Cosmos-Embed1 と Databricks Vector Search を組み合わせ、約54万シーン(約2,000時間分の走行データ)を対象にしたセマンティック検索システムを構築した。映像側の embedding は日次バッチで事前計算し、テキスト側のみ AWS Lambda でリアルタイムに計算する構成とした。
Turingは、車輪速とIMUから速度と姿勢を推定して時間積分するDead Reckoningによる自己位置推定手法を解説する。トンネルや地下駐車場などGNSSが受信できない環境でも、ローカルな自己位置を求められるとしている。GNSSが使える場所との比較では、単純計算でX方向0.65%、Y方向1.57%の誤差だった。この手法は自動運転システムにも組み込まれ、環境に依存せず走行実験ができるようになったという。
Turingは、S3インベントリを用いたデータ管理基盤を導入し、数億オブジェクト規模のデータセット情報を数日ではなく数秒で取得できるようにした。Databricks上で外部テーブルとDelta Tableの2段階構成とし、日次で更新している。インベントリの実行コストは100万オブジェクトあたりUSD 0.0025と記載されている。
Ethan Mollickは、エージェント時代のAI選びを「モデル」「アプリ」「ハーネス」の3要素で整理するガイドを公開した。チャットボットでの会話から、タスクを任せてAIがツールを使って実行する形へ使い方が変わったためである。主要モデルはGPT-5.2/5.3、Claude Opus 4.6、Gemini 3 Proで、月額$20の有料プランで高性能モデルを選ぶことを勧めている。
2026年1月のAI政策では、カリフォルニア州のフロンティアAI透明性法(SB53)と韓国のAI基本法が施行された。ETSIはAIモデルおよびシステム向けのサイバーセキュリティ規格「ETSI EN 304 223」を発行し、米CAISIはAIエージェントシステムのセキュリティに関する情報提供依頼を開始した。日本AISIは、AIシステム特有のリスクに起因するインシデントへの対応枠組み「AI-IRS」をまとめた「AIインシデントレスポンス・アプローチブック」を公開した。
SSHで1回のキーストロークを送信した際に36バイトのパケットが多発する理由を、tcpdumpの解析とClaude Codeを使って調査した。単一キーストロークのキャプチャでは、全270パケットのうち179パケット(66.3%)が36バイトのメッセージだった。Claude Codeの解析では、暗号化処理の時間が1.6sから0.11sに減ったとされる。
「AIセーフティ評価環境 検討タスクフォース総会」が2026年2月26日13:30~17:10に開催される。AISIがオープンソースとして公開している評価ツール「AIセーフティ評価環境」の概要と、検討タスクフォースの活動内容を紹介するイベントである。ハイブリッド形式で参加は無料、参加資格は特になく、申込期間は2月24日17:00までである。
LayerXのバクラク事業部データグループマネージャーである中山貴博氏が、「2026 Snowflake Data Superheroes」に選出された。2026年は全世界で125名(日本で15名)が選ばれている。LayerXは2024年10月からGoogle BigQueryベースのデータ基盤のSnowflakeへの移行を始め、2025年末時点でほぼ完了している。
Turingは自動運転モデル開発向けのMLOps基盤を「APIファースト」で設計した。データセット作成やシナリオテストなどの重い処理をクラウドで実行し、GUI(Next.js/Vercel)とCLI(Typer)の両方から同じAPIを呼び出せる構成とした。API側は全パラメータを必須とし、デフォルト値の制御はクライアント側に任せることで、チームやフェーズごとの柔軟な運用を可能にしたという。
Mistral AIは音声認識モデルのファミリーVoxtral Transcribe 2を公開した。バッチ向けのVoxtral Mini Transcribe V2と、遅延を200ms未満まで設定できるライブ向けのVoxtral Realtimeで構成する。Realtimeは4BパラメータでApache 2.0のオープンウェイトとしてHugging Face Hubで配布され、Mini Transcribe V2のAPI料金は1分あたり$0.003である。
選定理由:バッチ向けとリアルタイム向けの二つのモデルについて、遅延設定、料金、対応言語が並べて示されており、用途ごとの使い分けを判断しやすい。
日本のAI Safety Institute(AISI)が、民間事業者向けにChief AI Officer(CAIO)の設置と運用に関する標準的な実務指針をまとめたガイドブック(案)を公開した。CAIOの役割を明確化し、組織設計、運用プロセス、評価・監督、教育、人材、調達などを統合的に示すとともに、AIライフサイクル全体を対象とする。ガイドブックはドラフト版で、意見を募集している。
チューリングのMLOpsチームは、Amazon SageMaker HyperPod+Slurm+Lustreで構築したGPUクラスターを、us-east-1からus-west-2へ移行した。移行の背景には、データセットのあるS3がオレゴンにあり転送料が発生していた問題がある。移行後はGPUノード数が同じでもコストが想定の約2倍になり、割引対象インスタンスなしでクラスターを作成したため割引が無効化されていたことが分かった。
Hugging FaceでDifferential Transformer V2が発表された。V2はV1の推論速度低下(約6〜12%減)と学習の不安定性を解消する改良とされ、Query側のヘッド数を2倍にしてKey/Valueは増やさず、FlashAttentionを1回呼び出した出力を偶数・奇数ヘッドで分けて差分を取る構成になっている。
AIセーフティ・インスティテュート(AISI)は内閣府と合同で、2026年1月15日から16日にかけて「Hiroshima Global Forum for Trustworthy AI」を広島で開催した。AIの安全性、セキュリティ、信頼性の向上をテーマに、国内外の政府機関、企業、研究機関が登壇し、Microsoft、OpenAI、Anthropicなど8社が企業の安全性・ガバナンスの取り組みを共有した。
Ethan Mollickは、AIエージェントを使いこなす鍵は委任とマネジメントの技能だと論じている。エグゼクティブMBAの学生が4日間でClaude CodeやGoogle Antigravityを使い、動くプロトタイプを備えた起業案を作った経験が根拠である。AIへの委任可否は、人間の基準時間、成功確率、AI処理時間の3変数で考えるとしている。
Mistral AIは、ターミナル向けコーディングエージェントMistral Vibe 2.0を公開した。Devstral 2モデル群を基盤とし、カスタムサブエージェントやスラッシュコマンドによるスキル読み込みに対応する。Le Chat ProとTeamプランで利用でき、追加利用は従量課金またはBYOKで可能である。
選定理由:カスタムサブエージェントやスラッシュコマンドのスキルなど新機能に加え、Devstral 2の料金とプラン構成も示されており、導入時の比較材料になる。
Mistral AIのエンジニアチームが、vLLMで発生したメモリリークの原因を追跡した過程を解説する。Mistral Medium 3.1を使い、グラフコンパイルを有効にした条件下で、システムメモリが毎分400MBずつ線形に増加していた。Prefill/Decode分離構成のdecode側でのみ再現し、Heaptrackではヒープメモリは安定していたが、ヒープ外のピークRSSに差が出ていた。
ELYZAは、KDDIのGPU基盤を用いて日本語の知識・指示追従能力を強化した拡散大規模言語モデル(dLLM)「ELYZA-LLM-Diffusion」シリーズを開発し、商用利用可能な形式で公開した。HKU NLP GroupのDream-v0-Instruct-7Bをベースに追加事前学習と指示学習を行い、ELYZA-Diffusion-Base-1.0-Dream-7BとELYZA-Diffusion-Instruct-1.0-Dream-7Bを公開している。
2025年12月、米ニューヨーク州知事がRAISE法に署名し、商用目的の大規模なフロンティアAIモデル開発者に対して、セーフティ計画の策定・公開、重大インシデントの72時間以内の報告などを義務付けた。違反時の罰則は、初回で最高100万ドル、再犯で最高300万ドルとされている。同月には日本で「人工知能基本計画」が閣議決定され、韓国のAI行動計画(草案)へのパブリックコメントは2026年1月4日まで受け付けられている。
LayerXは、山田進太郎D&I財団が推進する中高生女子向けSTEM体験プログラム「Girls Meet STEM」に参画し、3月30日にLayerX本社で企業ツアーを開催する。ChatGPTと対話しながらオリジナルゲームを制作するワークショップと、女性エンジニアとの座談会を実施する。定員は30名で、応募締切は3月16日23:59である。
ELYZAは、日本語性能に特化した拡散言語モデル「ELYZA-Diffusion-Base-1.0-Dream-7B」と「ELYZA-Diffusion-Instruct-1.0-Dream-7B」の2種を公開した。両モデルは約70億パラメータで、Apache License 2.0のもとで提供される。初期モデルはDream-v0-Instruct-7Bで、約620億トークンの日本語コーパスによる継続学習と、約1.8億トークンによるInstruction Tuningを行っている。主に研究用途や検証用途での利用を想定している。
AIセーフティ・インスティテュートは、AIシステム特有のリスクに起因するインシデントへの対応枠組み「AI-IRS(AI Incident Response System)」を示したアプローチブックを公開した。AIインシデントは起こり得るとの前提に立ち、被害を最小化する発見的統制の重要性を明確にしている。AI-IRSはAIサプライチェーン全体を視野に入れたコンセプトを示している。
Ethan MollickはOpus 4.5搭載のClaude Codeに起業アイデアの立案から実装まで任せ、1時間14分の自律作業でWebサイトが公開可能な状態になったと報告した。最近のAIは自律的な作業量の増大と、ツール群からなるエージェント用ハーネスの組み合わせで能力が跳ね上がっていると述べ、非プログラマー向けにClaude Desktopでの使い方も紹介している。
ABEJAの藤本氏が、Dynamixelモーターと3Dプリンタ部品で2足歩行ロボットを自作し、IsaacLabでのシミュレーションまでの流れを紹介する。関節は3つに限定し、姿勢認識はIMUのみで行う構成である。制御には強化学習(PPO)を採用し、URDFからUSDへの変換、rsl_rlを用いたプロジェクト作成、環境と報酬の設定を解説している。
ABEJA の筆者が NVIDIA の医療系 AI プラットフォーム「NVIDIA Clara」を試し、MONAI Toolkit で内臓セグメンテーション用モデル VISTA-3D をファインチューニングして CT 画像で推論した。学習には腹部 CT 画像 150 枚と 5 epoch を用い、GCP の T4 1 台で動作させた。創薬分野では BioNeMo Framework でタンパク質言語モデル ESM-2 の学習と推論も試している。
DeepSeek-R1は、DeepSeek-V3-Baseを数千個規模のCoT付きデータでファインチューニングした後、GRPOによる強化学習で品質を改善するモデルである。強化学習の報酬にはReward Modelではなく、数学やコーディングの正解判定に基づくルールベースの報酬を用いており、報酬ハッキングを避ける狙いがあると説明されている。
ABEJAのデータサイエンティストが、OpenAIのgpt-oss-120bに論理クイズや数学の問題、詰将棋を解かせ、思考過程のログを検証した。設定はtemperature 1.0、reasoning effort highである。嘘つき特定問題では、各証言の真偽を場合分けして検討し、Bobが犯人となる組み合わせに至る過程が確認できる。
Ethan Mollickは、AIの能力が不均一なまま伸びる以上、人間の仕事を完全には代替しにくいと論じている。ボトルネックが1つ解消されると全体が一気に進む例として、Google の Nano Banana Pro と NotebookLM のスライド生成を挙げ、ベンチマークではなくボトルネックを見るよう勧めている。
Turingのインターン研究チームが、テキストを白い画像に印字したText-Printed Image(TPI)を入力に使い、実画像なしでVLMを学習する手法を提案した。実験では、テキストをそのまま使う学習(Text-only)より大きな性能向上を示し、一部のタスクではGT-Image(実画像による学習)に迫る改善も見られた。GPT-4o-miniを用いたSelf-Instructによるデータ拡張(1万サンプル生成)でも、シードデータが少ない場合と完全な場合の両方で性能が向上したと報告されている。
Mistral AIは新OCRモデル「Mistral OCR 3」を発表した。社内ベンチマークでは、フォーム、スキャン文書、複雑な表、手書きの領域においてMistral OCR 2に対し全体で74%の勝率を記録したとする。料金は1,000ページあたり$2で、Batch APIの50%割引を適用すると$1になる。APIのmistral-ocr-2512およびMistral AI StudioのDocument AI Playgroundから利用できる。
Mistral AIは、コーディングモデルのDevstral 2(123B)とDevstral Small 2(24B)、およびターミナル向けCLIのMistral Vibeを公開した。Devstral 2はSWE-bench Verifiedで72.2%、Devstral Small 2は68.0%を記録している。Devstral 2はAPIで当面無料で、無料期間後は入力/出力で100万トークンあたり$0.40/$2.00となる。
選定理由:SWE-bench Verifiedのスコアに加え、人手評価でClaude Sonnet 4.5との差が残ると明記しており、オープンモデルの現在地を比較しやすい。
Mistral AIは次世代モデルMistral 3を発表した。14B・8B・3Bの小型denseモデルと、アクティブ41B・総計675BパラメータのMoEであるMistral Large 3で構成し、全モデルを Apache 2.0 ライセンスで公開する。Mistral Large 3はLMArenaでOSS非推論モデル部門2位、Ministral 3 14Bの推論版はAIME '25で85%を記録した。
選定理由:3B・8B・14Bの小型モデルと675B規模のMoEを同じ Apache 2.0 で公開しており、用途別の選択肢と配布先を比較しやすい。
ELYZAのPdMやDesignerのマネージャーである佐々木レイ氏が、ELYZA Worksの設計過程を1万字超で公開した。ユーザーをSaaSのアプリ利用者とアプリ作成者に絞り、非エンジニアでも扱える生成AI活用ツールを目指す方針を示している。行動変容の心理学を使ったユーザー体験設計やMVP、ロードマップの考え方も紹介している。
SB Intuitionsは、VLM「Sarashina2.2-Vision-3B」をMITライセンスのもとで公開した。Sarashina2.2-3B-Instructをベースに開発され、HuggingFace Hubから利用できる。同サイズ帯では日本語ベンチマークでトップクラスのスコアを達成したという。